26時のメトロポリス

テレビやレディオのお話

有田哲平と脱力タイムズ

開始当初の脱力タイムズについて自分は「あれもこれも詰め込んだおもてなし番組」と言っていたのだが、今や他の追随を許さない、ぶっちぎりの「変な番組」である。最初の頃はいわゆるF1層へのアプローチもあったが、それを断ち切って以降、この番組はもう誰に対してでもなく、面白いと思ったものをただやるという尖った若手芸人みたいなスタンスで突き進んできた。


この番組を面白いと思うかはもちろん人それぞれだが、少なくとも言えるのは、こんな番組は今まで見たことがないということと、脱力タイムズこそ有田哲平の真骨頂だということだ。番組の構成はどんどん変わっていくが、それは有田がやりやすいように変えていっているのだろう。結果、「脱力タイムズ」と「有田哲平」がどんどんイコールに近づいていき、おふざけ満載なのに何か独特の雰囲気を纏った番組が出来上がる。

思えば『特典映像』や『有田哲平の世界一オモシロい番組』も、おふざけ満載にも関わらずどこか不思議な雰囲気を醸し出しており、有田以外にはできない独特な手法で笑いが作られているが、報道番組という体のフェイクドキュメンタリーという意味では、脱力タイムズはこれらの作品の延長線上にある番組と言える。中川家礼二が頻繁に登場するのも、このフェイクドキュメンタリーの手法にマッチする最高の演者だからである。

スタッフの大喜利力にも舌を巻く。その日のテーマに対してどれだけふざけられるかに命を賭けているのがわかる。有田ありきの番組だが有田に寄り掛かっておらず、むしろ「有田を笑わせたら勝ち」という意気込みで番組を作っているように感じる。MCとスタッフの関係性としては実に理想的である。

ゲスト芸人がみんな収録終わりに「なんだこの番組」「変な番組」と口を揃える。視聴者と同じ感想である。しかしこの変な笑いは他の番組では替えのきかないものであり、一度クセになってしまったが最後、もう抜け出せなくなっているのである。