26時のメトロポリス

テレビやレディオのお話

若きラジオリスナーに告ぐ。ネタメールのススメ

くりぃむしちゅーのオールナイトニッポンが7年半ぶりに復活する。僕のラジオリスナーとしての最初の番組である。今でこそいくつかの番組を楽しく聴かせてもらっているが、2008年末にくりぃむANNが終了した後、ほかの番組も聴いてみたりしたけど全然物足りなくて、数年間くりぃむANNだけを繰り返し聴いていた。ラジオ童貞がいきなり堀北真希レベルの番組と一夜を共にしたら、そりゃそうなる。

ハガキやメールを送ろうとは思わなかった。生放送をリアルタイムで聴いていなかったし、何より「聴く」ことに集中したかった。学生時代、漫才の台本を書いてはmixiにアップし、仲間内で面白いと言ってもらって自分の笑いのセンスを過信していたから、ネタハガキを何通か送れば1通くらいは読まれるだろうと思っていた。でも読まれなかった時に傷つくのが怖いし、こんなに面白いラジオを、自分のネタが読まれるかなーどうかなーとハラハラしながら聴くのがイヤだった。そのまま番組が終わってしまっても、ハガキやメールを送らなかったことに特に後悔はなかった。

そして7年半の月日が経ち、くりぃむANNが一夜限りの復活をするというニュースが飛び込んでくる。いくつかのコーナーもやるという。うそだろ。夢か。これは夢なのか。急に生きる気力が湧いてきた(別に死にたかったわけではないが)。そんなふうにひとしきり興奮した後、僕の心に湧いてきた感情は意外なものだった。



「ネタ送らなきゃ!!」



このとき初めて、僕は7年半前の自分の感情にウソがあったことに気付いた。

僕はネタを送らなかったことを、本当は後悔していたのである。

本当は有田や上田にネタを読んでもらって、笑ってもらいたかった。名だたるハガキ職人と肩を並べて、ガッテンで戦いたかった。

そして今、僕の中の亡霊を成仏させる、一夜限りの、一発勝負のチャンスが訪れた。今しかねえ。今しかねえぞ!よ〜し!やったるぞ〜!!
・・・。
・・・・・・。



・・・何も思いつかなかった。



僕はいま33歳である。これまで散々貪ってきた音楽やマンガや雑誌が、30歳を境にぱたりと関心が薄れ、家にあったたくさんのCDやDVDや書籍の断捨離をすすめた結果、全コンテンツが小さめの本棚ひとつに収まってしまうくらいになった。ものが少なくなっていくにつれ、僕の中のクリエイティビティもみるみる減っていった。そういうもんなんである。そういうもんだということを、10代20代の僕は想像もつかないのである。どんなに才能のあるミュージシャンも、1年に1枚のペースでアルバムを出せるのはせいぜい最初の5年なのである。僕の全盛期は、とっくに終わっていたのだ。全盛期など最初からないのだが、とにかく終わっているのである。


いいかい、学生のラジオリスナー諸君。
君たちは全盛期の自覚がないかもしれないが、人生の何がうまくいかなくても、それは全盛期なんだ。無鉄砲になんでもやれ。やらない後悔よりやる後悔を選べ。読まれるまでネタ送れ。「ネタメール送りたいけど他の職人さんのレベルが高すぎて自分なんか読まれるわけない」とかくだらんことを思ってる間に今すぐ送れ。ネタがあるうちに、思い付くうちに、お前のクリエイティビティが枯渇する前に、今送れ。加齢という癌が進行して手遅れになる前に、今、すぐにだ。三四郎ANNのバチボコのコーナーに送れ。たぶんすぐ読まれっから。